顎関節の不調は“日常のクセ”が原因かもしれません
~ 歯科と理学療法の最新研究からわかる、姿勢との深い関係 ~

「顎がガクガクする」「噛むと痛い」「口が開けづらい」
こんな症状があっても、
“顎そのもの” が悪いとは限りません。
実は、顎のトラブルの多くは
毎日の小さなクセや姿勢の偏り
によって引き起こされています。
さらに最近では、
顎口腔機能(噛む・飲み込む・呼吸など)と
姿勢・体の動きは「神経レベルでつながっている」
という研究も増えてきました。
今日は、歯科と理学療法の両分野から見える
“顎と姿勢の本当の関係” をわかりやすく整理します。
以下の参考文献もどうぞお読みください!
【顎口腔機能と姿勢・運動制御との関連性】
↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sgf/29/1/29_1/_pdf
■ 1. 顎と姿勢はまったくの別物ではない
顎の動き、飲み込み、呼吸は、
姿勢や歩行をコントロールする神経ネットワークと
互いに影響を与え合っています。
つまり、
顎の動き=全身の姿勢・筋バランスと密接につながっている
ということです。
たとえば…
- 顎の位置は首の筋肉に支えられている
- 首の位置は体幹のバランスに左右される
- 体幹のバランスは骨盤・足の使い方で決まる
この「つながり」を考えると、
顎の痛みを“顎だけ”で治そうとするのは
パズルの1ピースだけ直して全体を完成させようとするようなもの。
■ 2. 顎が痛い人に共通する “日常のクセ”
顎関節症の人に話を聞くと、
実はこんなクセが隠れていることが多いです。
- 足をよく組む
- 片側に重心をかける(肩が下がる)
- スマホ・PC中に首が前へ落ちる
- 片側だけで噛むクセがある
- 枕が合わず寝返りが多い
- 呼吸が浅い
- 頭痛が時々ある
- お腹や腰の手術歴がある
- ストレスが多く、噛み締めやすい
これらはすべて
頭の位置 → 顎の位置 → 噛み合わせ → 顎関節への負担
という連鎖に影響します。
例えば、足を組むと骨盤が傾き、
その影響が体幹〜首〜顎へとつながって、
結果として片側の顎に負担がかかり続けます。
つまり、
顎に症状が出る前から“体のクセ”は始まっている のです。
■ 3. 「顎そのものの治療だけでは治りきらない」理由
顎関節症の治療というと
「顎の動き」だけに注目されがちですが、
顎の位置や動きは、
頭頸部・体幹・骨盤・足の姿勢に大きく左右されます。
近年の研究でも
「歯科医が顎だけを見る時代ではなく、
全身のアライメントを考慮した治療が必要」
と強調されています。
だからこそ、
- マウスピース
- 噛み合わせの調整
- 顎のストレッチ
これらだけでは治りきらないケースが多いのです。
そもそもの原因である
姿勢や体のクセを変えなければ再発してしまうからです。
■ 4. 歯科 × 理学療法のタッグでできること
文献でも結論として、
歯科医と理学療法士が協働すれば
「より効果的な治療・リハビリテーションが可能になる」
と書かれています。
実際に、理学療法の視点では
- 骨盤・足からの姿勢評価
- 体幹の左右差のチェック
- 呼吸パターンと頸部筋の関係
- ストレスや噛み締めのクセ
- 過去の手術や怪我によるねじれ
こうした“顎の外側にある原因”を見つけて整えます。
歯科とPTのアプローチは
パズルのピースを両側からはめていくような関係性。
顎単体でなく全身を見ることで、
改善スピードは大きく変わります。
■ 5. まとめ:顎の痛みは「体のサイン」
顎関節症は、顎の痛みや不調という形で現れますが、
本当の原因はそのもっと前、
日常のクセ・姿勢の崩れ・体の使い方の偏り
にあります。
顎ばかり責めず、
体全体から見てあげると
改善のヒントが見えてきます。
今後は、
「顎の不調を引き起こす日常のクセチェックリスト」
をPDFとして公開予定ですので、
そちらもぜひご活用ください。
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